Sep 25,2025

GSP、ところざわさくらタウン、TORAYA GINZAなど名だたる施設のランドスケープデザインから施工、造園工事まで行う「そら植物園」は、植物業界のパイオニア的存在として、国内外で幅広く活動する会社です。今回、大阪府池田市に本社を置く「そら植物園株式会社」の代表取締役西畠清順氏と、同社ナーセリー部の森下雄一郎氏にEFポリマーを使用した感想をお聞きしました。

西畠氏:植物を取り扱う花き園芸業界において、植物を育てる生産者、植物を卸す問屋、 造園工事をする造園業、グリーンをコーディネイトするコーディネーターやデザイナーなど、さまざまな業種がありますが、それらの垣根を超えて、世間からの需要に応えられる存在でありたいと思い「そら植物園」を創業しました。
植物に関わる仕事を叶える会社であり、植物のあらゆる可能性に挑戦し続けることを大切にしています。なので、EFポリマーの実証実験に参加したことも挑戦のひとつであり、以前から知っていたEFポリマーを実際に使えることを楽しみにしていました。

西畠氏:知人の実業家が沖縄でバナナ農園をやりたいということで相談を受けた際、EFポリマーを使いたいと言っていたのがきっかけで、名前を知りました。
植物を扱う者として、EFポリマーの良さは使わなくても十分理解していましたが、沖縄で使用するには、水分を蓄えすぎてしまうのではないかと懸念していました。一方で、降水量が少ない地域で重宝されることは間違いないだろうと確信していました。
西畠氏:EFポリマーの人と仲が良い知人がいて、EFポリマーの拠点でもある沖縄科学技術大学院大学(OIST)を訪問する機会がありました。
元々EFポリマーに興味があったので、どんな製品なのか説明を受け、日本ではなく別のところで役に立つのではないか、農業よりも園芸の世界で役立つのではないか、と自分の経験から思ったのがきっかけです。
そこからトントン拍子で話が進み、そら植物園でEFポリマーを使用した実証実験を行うことになりました。

西畠氏:実験の結果は、良い意味で想定通りでした。鉢での実験では半分以上、灌水を減らして植物を育てることができました。
【実験について】
内容・目的:EFPポリマーを使用することにより苗木生産時の灌水頻度(灌水コスト)の低減および生育向上試験品種:コットンキャンディ、シェフレラ、レモンなど10品種
試験方法、期間:「EFP1%混合土壌区」と「EFP無し区」を比較。各区の土壌水分計の値に基づき、乾燥のタイミングでそれぞれ灌水を実施。試験期間は2024年9月〜12月。

また、植物は水分を吸収して乾燥するサイクルを繰り返すことで成長します。EFポリマーを使うことで保水性が上がり、湿潤と乾燥のサイクルが減ることで成長が緩やかになるのではと予想していた通り、成長は少し緩やかになりました。
園芸の観点からすると、なだらかな成長はメリットでもあります。屋内緑化をする際は屋内向きの植物を選びますが、成長し過ぎるとかえって邪魔になってしまいます。カフェに植物を置いたのに成長し過ぎて窓にぶつかったり、動線の邪魔となってしまったり、成長したら雰囲気が変わってしまった…など。
ですので、屋内緑化においては、ゆっくり成長して植物の形が変わらない点はメリットになります。観葉植物は元々、長持ちして成長が遅いものの方が売れ行きが良い傾向にあるので、EFポリマーと屋内緑化はとても相性が良いと思います。
森下氏:透明なプランターを使って実験を行ったのですが、EFポリマーを使用した個体と使用していない個体の大きな違いは、根の張り方でした。EFポリマーを使った個体の方が根の張りが早く均等で、使っていない個体は根の張りが少ない傾向が見られました。
また、EFポリマーを使用して特に効果があったのは、オセアニア系の植物です。水のストレスが高い植物は、EFポリマーを使用したことで根の張りが良くなり、新芽の出る枚数も多く、灌水回数は1/3以下とかなり良い結果となりました。
一方で、雨や気温の変化など気候の影響を受けやすい植物では一部、想定通りの結果を得ることができませんでした。これからも実験を重ねてEFポリマーをどう使ったら相性が良いのか、方程式を見つけたいと思っています。
西畠氏:生の植物を育てるにあたって、虫の発生や病気の確認など必ずメンテナンスが必要となります。EFポリマーを使うと、例えば、週に一度の水やりが二週間に一回で済むようになる。EFポリマーを使用するメリットはかなりあると思っています。
森下氏:今回、粒状タイプのEFポリマーを主に使用させていただきました。すでに水気がある状態の土壌に撒くとすぐにジェル状になってしまう事もありました。
プランターに入った植物に使うには良かったのですが、この辺りは引き続き撒き方など使用方法も研究したいと思っています。
西畠氏:植物は、根付くまでは特に水が切れてはいけません。一度根付けばそこまで多くの水を必要としませんが、植え替えたばかりの植物や、移植して一、二年ぐらいの植物は、常に少しの湿気があった方が良いんです。なので、そういった植物はEFポリマーと非常に相性が良いと思います。
実は、大阪・関西万博のアメリカパビリオンとフランスパビリオンの植物を手がけた際に、EFポリマーを使用させていただきました。万博は未来社会の実験場でもあるので、実証実験を行う前からEFポリマーを使用すると決めていました。

<EFポリマーを使用した大阪・関西万博 アメリカパビリオンの植栽>
フランスパビリオンの目玉にもしていただいている、南仏から運んできた樹齢千年と言われるオリーブの木があるのですが、苔の下地部分でもある根っこの箇所にEFポリマーを使用しています。苔自体の保水性が高いこともあり、水をほとんどあげていなくても元気なままです。
人工基盤は乾きやすい傾向があるのですが、EFポリマーを使用しているので、アメリカパビリオンの植物も順調に灌水回数のコントロールができています。
西畠氏:今回の実証実験を通して、個人的には農業以上に園芸業界に向いているプロダクトだと感じました。EFポリマーはプランターや屋上緑化、人工基盤の緑化、植えたての植物などで効果を発揮していくのではないでしょうか。
使い方次第では、かなり有効な製品であるとすごく感じたので、これからもEFポリマーを使いたいと思っています。現段階で60〜70件ほどのプロジェクトが控えていて、EFポリマーを積極的に使いたいと考えています。一年もすれば国内だけでなく世界の名だたる企業でEFポリマーを使っていると言うこともできるようになるので、ますます注目されると思います。
花き園芸業界という1兆円産業の中、レンタルグリーン産業は約600〜700億円の市場を占めています。EFポリマーと屋内緑化はかなり相性が良いため、植物に詳しい投資家は少ない中で、実際のところどうなのかをもっと伝えられたら、EFポリマーはまだまだ伸びる製品だと期待しています。

〜編集後記〜
今回のインタビューでそら植物園さんの本社を訪問した際、職業体験に来ている約10名の中学生がいました。せっかくの機会だからとインタビューの様子を中学生たちが見学しており、インタビューの終了後、EFポリマーが世界から注目されているプロダクトだということを、学生にも分かりやすく説明する西畠氏。
「このEFポリマーは果物の皮とかで出来ていて、化学的なものは入っていないから食べることだって出来るんだよ。これまでのポリマーは石油で作られていて土に還らないから、地球のごみになってしまう。」
「ごみは埋立地に埋められて、時間が経てば海に流れていって、マイクロプラスチックとなったものを魚が食べて、その魚を人間が食べて、人間にとっても大問題なんだよ…だからこのプロダクトは世界から注目されているんだ」
と説明する西畠氏の言葉からは、EFポリマーに対する期待感と、これからを生きる子供たちのためにも活動したいという思いが伝わりました。
今回はお時間をいただき、ありがとうございました。
そら植物園公式HP:https://from-sora.com/
EFポリマーのお問い合わせはこちらから:https://efpolymer.jp/
















































































